2010/10/20

今年の豪雨から思ったこと

昨年と同様、今年も雨季の終わりの10月に街を襲った豪雨。
孤児院でも3度の床上浸水がありました。

昨年は床が抜けおちる、台所の階段が倒壊寸前、グラウンドの
芝が全滅などなど、数えきれないほどの被害がありました。
支援者の皆様には特別に豪雨被害に対するご支援を頂き、なん
とか乗り切ることができ、翌年の豪雨を想定し、さまざまな対策を
取ることもできました。

被害の一つにみんなで植えた稲が全滅ということもあったのですが、
今年は水はけを考えたり、植える品種を選んだりしていたので
稲穂が倒れることもなく順調に育っている様子です。

スタッフの話によると、来月には収穫できるのではないかということで、
今からとても楽しみです。

お米を植えたのは去年が初めて。
それが豪雨で一粒も収穫できず悔しい思いをしただけに、今年は絶対に
お米を守るぞ!と思っていました(笑

私たちスナーダイ・クマエの歩みは、このお米の育て方と同じで、失敗を
しつつも次につなげていくという方法が多くとられているように思います。
まずはやってみる、失敗したら検証して次に備える、同じ失敗を何度も
繰り返さぬよう気をつけましょうとスタッフや子どもたちと話しながら
ゆっくりなペースでも前に進んでいけるようにと思っています。

私はよく色々な方から「よくそんなに慌てずにのんびりとやっていけるね」と
言われることが多いのですが、私もここに来たばかりのときはいつもいつも
苛立っていました。
自分の思うようにいかない、周りのペースが遅すぎる、気持ちが伝わらない。
そんなことばかりの毎日で20代半ばの自分には抱えきれない思いがあふれ
そうになっていました。

何年も何年も子どもたちの成長を目の前で見ていくようになり、自分の
考え方が少しずつ変わったように思います。

「今だけを見るのではない、先を見ながら今できることをする」

そういうふうに思えるようになったのは、子どもたちの成長過程を
ゆっくりと見せてもらってきたからだと思います。
もちろん今だって感情的になりかけることもありますが、思いとどまること
のほうが多いのです。

振り返ると、今よりもさらに未熟だったあの頃、客観的視点で物事を
とらえられずスタッフや子どもたちにも十分なことができなかったのだと
思います。
今どこまでなにができるようになったのか、自分ではなかなかわかり
ませんが、孤児院創立当初よりも子どもたちの雰囲気が穏やかになり
明るい声が聞こえる院内に落ち着きを感じるようになりました。
自分の伝えたいことがみんなに伝わり始めているという実感がでてきた
ように思います。

一人でできることは限られているけれど、私は悩んだり、つらかったり、
悲しいときにいつも励まして下さったり、温かく見守って下さる支援者の
皆さんに恵まれていたと思います。
それがなければここまでやってくることは到底出来なかったのです。


来年の雨季もまたどんな被害があるかわかりません。
でもやっぱり今年の経験を踏まえて来年に備え、被害を最小限におさえる
ことができるように考えるしかないのだろうと思っています。
歩みは遅くても、後退はせず、ゆっくりゆっくりとみんなで前に進んでいこうと
思います。

長年陰で支えて下さっている皆さんへの感謝をを忘れずに・・・。

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